母父トニービン

明るいところで読んでね

勢いに乗った曲

 

キングオブコントでバイきんぐが優勝した時の「なんて日だ!」って台詞あるじゃん。あの同じコントの中の「お前止まんねぇなおい!」って突っ込みがあれに匹敵するくらい好きなのよ。

 

新星が一気にガーッときて磨けば磨くほど綺麗になり続けて躍動が止まらない時期とか、既に売れっ子となったスターの脂がそれはもう乗りきって乗りきってこの才能という資源は本当に枯渇しないんじゃないだろうかと本人も関係者もファンも信じて疑わないような時期というのは間違いなくあると思っておる。朕は。

まぁ要はどっちも調子ぶっこいてるってことなのかもしれないけどその勢いがそいつ自身とそいつの作品に完全に良い影響を及ぼしてることは往々にしてある。

いや実際には本人や関係者にも不安が全くないわけじゃないだろうけどそんなの関係なく「そいつバブル」みたいになる時期あるじゃん。そしてそれはそいつの実力だけじゃなくて時代がそうさせてたりする場合も多いのでござる。

時代がスターを呼び、時代がスターを作り、また時代がスターの勢いを増長させて時代が変わっていくのでござるな。

 

ジーコジャパンに大黒が現れた時や浦和レッズ田中達也&エメルソンに、ジュビロ黄金期の中山&高原のツートップやバルセロナ時代のロナウジーニョとか。

競馬だとフサイチホウオープレシャスカフェが重賞を続けて勝ってさぁG1獲りって時とか、既にG1を勝っているタイキシャトルエスポワールシチーがひたすら連勝を続けてた時とか。

 

伝わるか不安だけど歌で例えるなら「残酷な天使のテーゼ」のサビ前の「羽根があることー」から「ざーんーこーっくーな」にかけての曲が沸き上がる勢い。

そして「ほとばしる熱いパトスで」の、完全に軌道に乗って突っ走ってる段階の自信たっぷりの推進力ね。物事を例えるのどんだけ好きなんだよ俺。

 

3速から4速への伸び、もしくは5速のMAXスピード感、そういう感じの曲を中心に並べてみました。

 

 

 

大迷惑 / ユニコーン

俺は奥田民生のソロから遡って知ったから絶頂期に至る過程なんかは全く知らないが、まさにバンドブーム・バブル期って感じ。勢いっていうかもう押し寄せる「圧」だね。

音楽は時を越えて生きて(活きて)いる。YouTubeで2009横浜のライブ映像を見てそう思った。どう聴いても「20年前に流行った曲を演奏します」ってノリじゃないもん、アーティストも客も。

 

YAH YAH YAH / Chage&ASKA

「うわーもうこの曲爆発的に売れる気しかしないわー」って顔して撮ってるPV。まぁPVってそういうもんでしょって話だが。別にチャゲアス自体は昔から特に好きではないけど、もうここまで自信満々の顔されるとカッコイイと思わざるを得ない。

 

シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~ / Mr.children

everybody goesとかも勢いに乗った曲に分類されるよね。ミスチルのこういう楽しく盛り上がれる曲ってそう多くない。陰と陽だったら陰が強いバンドだと思ってるんだけど、陽の部分はユニコーンの影響が少なからずあるんだとか。

 

口唇 / GRAY

これも凄かった。これが無かったら「生きてく強さ→グロリアス→BELOVED→a boy→HOWEVER」で世間の印象は"スーツ着ててちょっと雰囲気あるけど爽やかなお兄さん達"って感じになり得たし、この曲によってヴィジュアル系的な要素を残したままHOWEVERに突入したことに大きな意味がある。ここでこの曲がなかったらベストアルバムの売り上げも全然変わってた可能性があるからね。

ちなみに当時国語のテストでくちびるを「口唇」って書いて×もらう奴、英語のテストで灰色を「GRAY」って書いて×もらう奴が続出した。

 

WHITE BREATH / T.M.Revolution

好きだったなぁこの曲。正直言って何を歌った曲なのかよくわかんないんだけど、もう勢いが強すぎるせいで文句言えずに雰囲気で押し切られてしまう感じ。これこそ時流に乗ったアーティストの勢い。すばらしい。

その勢いが落ち着いても生き残ってるのがまた偉いね。あの人は特に好きじゃないけど。

 

Boys&Girls / 浜崎あゆみ

イントロの歌い出し「たーらーらーらーらんららー」聴いただけでもうわかるよね。浜崎さん余裕の表情ですよ。たぶんこれレコーディングしてる途中で「あ、これ完全に私トップ立つわ」って気付いたと思う。

この人は勢いのある期間がかなり長かった気がする。ばんばん新曲出してたからそう感じるのかな。いや、それにしても、だよこの人は。

 

恋のダンスサイト / モーニング娘。

お前止まんねぇなおい!

こういった攻め方はつんくの持ち味なのかもしれない。どっちが上とかそういうんじゃなくて、AKBとは全く違う方向性だよな。

 

BLACK FLYS / NICOTINE

最初に聴いた時はついにNICOTINEの時代が来た!って思ったんだけど次の次くらいからはあんまり聴かなくなっちゃったな。なんでだろう。カラオケで歌うとすげー気持ち良い。

 

Sk8er Boi / Avril Lavigne

リアルタイムで洋楽をまともに聴いたのってこれとタトゥーくらいじゃないかな。この曲までの経緯とかは知らんけど、きっと本人がノリノリですよね。

 

花 / ORANGE RANGE

この人達がこういう曲を出すってことがもう勢いじゃないですか。そもそも。

当時この人達自体を全然好きじゃなくて、でも知らないうちに「はんなーびーらーのっ」って口ずさんでてくそっ何なんだよこのキャッチーさは、ちくしょう、ってもやもやしてた。

 

ポリリズム / Perfume

Aメロからなんだなんだ何が始まるんだと思わせてサビの攻撃力。完全に殺しにかかってるね。だいたい1曲通して躍動しっぱなしってどういうことよ。瑞々しいんだよお前ら。

 

ポニーテールとシュシュ / AKB48

実は、この曲の勢いすごいよねってことが言いたくてこれを書き始めたんですよ。ここまで膨らむとはね。

この曲をちゃんと聴いたのって発売してから数年経ってからなんだけど、勢いのある曲調ってわけでもないのに楽曲全体から滲み出てくる不思議な勢いは何なんだろうと思っていつだったか調べてみたのよ。

そしたら第1回総選挙の後かつヘビーローテーションで大ブレイクする少し前の曲だって知って、そういう勢いに乗っている時のパワーと躍動感が曲に出てるんだなとすごく納得できた。まだラミレスがそんなにラミレスラミレスしてないもんね。

イントロのピアノから漂う90年代の香り、Aメロの階段ルート音、アイドル曲にありがちなBメロのリズム、サビのメロディと畳み掛けるような輪唱、Cメロからの落としと転調、アウトロではっちゃけるギター、どれをとっても素晴らしい。

 

千本桜 / 黒うさP feat.初音ミク

前にも書いたがこれはボーカロイド全体の勢いに完全に乗ってドーンといった曲だと思う。もちろん曲の良さとかがあってこそなんだけど、ある意味でこの曲はボカロ曲投稿者全員の功績かもしれん。

 

 

時代が近くなると数が減っているように感じるのは単純に俺が詳しくない可能性と音楽業界の勢いが衰え始めた可能性と「癒し系」という言葉の浸透と共に多くの人が以前ほど威勢のいい音楽を求めなくなったことなどが考えられる。つまり井川遥のせい。

YouTubeで2000年代ヒット曲集の動画をみると中島美嘉とかひととようとか絢香とかコブクロとか、2000年代中ごろからヒットチャート上位で「お行儀が良くて聴きやすい曲」の占める割合が増えてる気がするんだよね。ミヒマルGTで攻めてる感じがするもん。そりゃ俺もPerfumeにハマるわけだよ。

「あの頃の勢いは良かった」と昔を懐かしむおじさんになっちゃったけどなんか質問ある?

 

ちなみに華原朋美のI'm proudはサビだけ見ると完全に調子ぶっこいて世界は私のものだわよって叫んでいるように見えるけど最初から通して曲を聴くとそういう感じでもないんだよね。

 

そうそうこれ書きながらB'zの一番勢いあった頃はいつなんだろうかと考えたけどわからなかった。まず「ねがい」以前のシングルの順番がわからない。やっぱりあーいのままにーなのかな。ZEROの攻めっぷりも勢いの表れかもしれないと思う。

BAD COMMUNICATIONあたりがそういう存在なのかなぁと思うけど時代背景がわからない。ご存知の方がいらっしゃいましたらご一報頂ければ幸いです。あと大塚愛とこうだくみはドカンと一発売れた後の「曲の勢い」は微妙という判定です。

 

と言うかこれ全部書いてから眺めてみたら「俺がカラオケで歌うと気持ち良い曲」とほぼ一致ですわ。そしたらジュディマリのBrand New Wave Upper Groundも入るんだけどジュディマリ入れるとしたらそばかすになっちゃいますよね。