母父トニービン

明るいところで読んでね

メジャーエンブレムを見に行ってきた

 予定通り、昨日はメジャーエンブレムを見に東京競馬場に行ってきた。
 週の前半はどうするか迷っていたけれど、週末は気温が上がるとの予報も追い風となった。「史上最強牝馬を見に行こう」という触れ込みで友人も誘った。
 っていうかもう前日に出馬表見た時点で笑っちゃったもんね。6番枠だもん。この馬に内目の偶数枠なんて理想的すぎる。スタートさえ五分以上ならば勝つと、素直に信じていた。
 
 パドックはいつも上のほうから遠目に見ているが、G3で比較的空いていることもあって、折角なので階段を降りて目の前で見ることにした。最前列でカメラを構えている人達の、すぐ後ろの列で見た。
 他の馬に大して興味がなかったこともあるにせよ、1頭だけ全く違って見えた。なんと素晴らしい馬体だろう。
 普段は馬を表現するのに「気品」「風格」という、抽象的ともいい加減とも思える言葉を用いないようにしている。しかし今回は全く自然にそれらの言葉が頭の中に浮かんだ。気持ちに余裕があるのか、跨ったルメールもずっと半笑いだった。
 1戦1勝のレクレドール産駒が馬券の相手かと思い気にして見てみたら、パドックでは本気で心配になるほど元気がなかった。風邪かなにかで親に手を引かれて町医者へ歩いていく小学生のように、心ここに在らず、という風に見えた。
 
 レースはもう伝説に残るレベルの圧勝、楽勝。
 絶好のスタートを決めてハナに立ち、ハイペースから直線でそのまま突き放してゴール。
 残り400m〜200mの間は本当に至福のひと時だった。溜息が出た。両目がハートになっていた可能性すらある。これを見に来たんだ。強いということはとても美しいことだと感じる。
 スタートからゴールまでずっと先頭を走っていたのは確かだが、「逃げ馬が自分でハナを主張してペースを作り、後ろの馬の追撃を最後まで凌ぐ」という逃げ切りとは決定的に意味が違う。この馬はもうただ強いだけで、他の馬や展開は現状関係ない。
 ここ数年は「史上最強牝馬レーヴディソール」という立場をとっているのだが、今後どうなるだろう。
 
 今回は、見たいと思って見に行って見たかったものが見られたのでとてもよかった。
 競馬を見ていて、大きな期待をかけたものが思い描いた通りに実現されるなんていうことは何年に一度もない。裏切られることのほうが圧倒的に多い。ディープインパクトを見に競馬場へ行ったらコロッと負けたことだってあるんだよ。ルメールこの野郎。
 大きな期待をかけた馬が夢破れて、その後連敗を重ねてゆくのを見続けなければならない場合もある。夢半ばで怪我をして、何かを成す前に引退するなんていうことも珍しくない。そういった経験を重ねてゆくと、大きな期待をかけること自体が難しくなってゆくものだ。
 そんな中で今回の結果を見られて、これはもう満足というよりも、感謝というほうが正確かもしれない。たぶんこれ、しばらく時間が経ってからより強く実感するパターンのやつや。
 
 他にクラシックへ向かう過程の中で心底震えた勝ち方というと、ウオッカエルフィンSワールドエースきさらぎ賞レーヴディソールチューリップ賞が思いつく。
 この間のサトノダイヤモンドもかなりいい線いってたし、今年のルメールは牡牝三冠いくつ勝っちゃうんでしょうか。全勝?
 
 それと京都の最終レースでバンドワゴンが復帰したけど出遅れて負けた。そこまで悪い内容にも見えなかったし、ダメージが少なければ近いうちにいい結果が出るんじゃないかな。そう思いたい。
 そしてショウナンマイティは引退した。
 俺は1万負けた。