いやぁすげーな。元々ラニにそんなに注目してたわけでもないけど、これは物凄い快挙だ。
しかも賞金200万ドルですよ。もし200万ドルあったらみんな何買う?まず円を今買うかどうかかなり迷うよね。
生でレース映像は見られなかったんだけど直後にツイッターで知って、まず最初の一瞬は反射的に嘘だと思っちゃったもん。出遅れから直線伸びて勝利とか言ってるもんだから。
いやー、去年ムブタヒジの大楽勝見せられたからこれはまだ10年かかるなぁと思ってたんだけどねー。すげーわ。
母親のヘヴンリーロマンスもめちゃくちゃだったもんなー。
2004年暮れの阪神牝馬Sでけっこういい勝ち方するのを見て、へぇーなんて思ってたら突然フェブラリーSに出てくんの。上り調子の牝馬が今度はいきなりダートのG1、なんじゃそりゃ。強気なのかなんなのかよくわかんないけどすげー使い方するな。
そこから数戦は負けが込んで、夏の札幌クイーンSではもう穴馬になってた。そこで直線どーんと抜け出したレクレドールにギリギリまで迫る2着。
あーやっぱ阪神牝馬Sは強かったもんなー。見限っちゃだめなんだなー。なんて思ってたら翌週の札幌記念に出てる。
あれっ?確か先週・・・あれ?なに?連闘?なんで?いやいや秋はエリザベス女王杯でもマイルCSでも好きなほう選べる立場でしょうよあなた。ファンファーレ演奏する学生もだいぶびっくりしてたよ。
しかも勝った。どういうことなのこれ。ファストタテヤマが2着にきたことに驚いたけど、勝ち馬のほうは驚きっていうよりも、何がどうなってこうなるんだろうかと、ただただ不思議だった。
その秋の天皇賞は現地に行ってた。
超スローペースから大穴ダンスインザムードが抜け出すのを見て心臓止まってたら、ゼンノロブロイがこれを捕まえる勢いで伸びてくる。
あーあまたロブロイかよ買ってねーわボケ、と思ったらその間からなんか1頭伸びてくる。
あの勝負服の馬は何がいたっけ?あーヘヴンリーロマンスがいたのはぼんやり覚えてるけど、まあそんなわけないし、他にノースヒルズの馬いたかな・・・他にいたか?何だ?誰だ?白い帽子?誰だ?
ここで手元の新聞を見る。馬柱の一番右側にヘヴンリーロマンスと書いてあるのを見て度肝を抜かれた。
あれヘヴンリーロマンスなのー!?
腰抜けた。
マジで。腰抜けたのなんて今のところ人生でこの一度きり。
ウイニングランの後にスタンドの天皇皇后両陛下に向かって礼をしてた名シーンも、俺は腰を押さえながら眺めていた。最終のパドックなんか柵に掴まっていないと立ってらんなかったよ。
そうか・・・アドマイヤグルーヴのエリザベス女王杯3連覇はこの馬が最大のライバルになるかもしれないな。
ってジャパンカップ行くんかい。強気すぎる!
ヘヴンリーロマンス 33戦8勝 ヘヴンリーロマンス|競走馬データ- netkeiba.com
今戦績を振り返ってみると、好不調の波がかなり激しい馬だったのかなーという見方もできるね。イケイケドンドンなローテに見えるのも、調子良い時の強さを関係者が見抜いていたからだろうか。
と言うかそもそもが沢山レース使っていく方針の厩舎なんだね、5歳で引退した牝馬なのに33戦も走ってるというのもなかなか凄い。
そんでこの馬にこれだけ驚かされてるのに、思い出す時はいつも名前がスッと出てこない。
どうも出来事のほうばっかり印象が強くてねぇ。さらっと綺麗な名前と驚きの出来事が一致してこないのかもしれないね。
他に名前が出てこないG1馬といえば、あのー、後藤でオープン勝って吉田豊で内突いてマイルCS勝ったキャロットファームの牝馬。アドマイヤベガの。黒っぽくて馬体がすげー綺麗なあいつ。何だっけ。9文字全部使ってるような横文字の名前のやつ。
調べりゃすぐわかるんだけどさ。
しっかし引退してからもめちゃくちゃやってくるとは思わなかった。ジャングルポケットでダート馬出すんだもん。トニービン系でオープンクラスのダート走る馬なんて他に何がいるよ。アドマイヤハッピー?そうでもないか。サクラヴィクトリア?
そのアウォーディーは5歳秋の初ダートであっさり勝って、今ダート重賞を連勝中なんだけど、そうなるとヘヴンリーロマンスがいきなりフェブラリーS出たのもあながち悪い選択でもなかったのかなぁ、なんて思えてくるよね。
正直言って当時は「何やってんだよ・・・」と思ったよ。まさかそんな俺の浅はかな考えを、自身の子供と当時の調教師の弟子が変えてくるなんて思いもよらなかった。そんな伏線の回収のしかたあるのかよ。
子供が堂々とケンタッキーダービー目指すなんてねぇ。
規格外にめちゃくちゃすぎるだろ。