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母父トニービン

明るいところで読んでね

めっちゃ本

 
 はてなブログで見かけたやつをよく知らずにジャングルで注文して、さぁどんなもんかなって読み始めたらあれ面白れーなこれ、あれなんだなんだ面白れぇぞ面白れぇぞっつって読んでた。
 なんて言うか、めっちゃ本だった。本ってこういうものか、と思った。
 
 本を読んでこういう種類の面白さを味わったのってほとんど初めてなんじゃないかという気がする。
 その時代の庶民の空気とか、戦争に対する感覚とか、昭和天皇に対する考え方とか、「ヒトラーは自殺したから筋は通した」って考え方とか、実際にその時代を過ごした人の話(を元にした本)を読むのって全然違うんだな。何と違うのかよくわからないけど。
 
 基本的に仕事の帰り道くらいしか本を読むタイミングがない、というか俺が本を読む気になるのがそこしかないのでちょっと時間かかったけどね。だって電車乗るの10分だもん。たまに外でメシ食いながら読んでかないと進まない進まない。
 小説とかなら公園のベンチで読んだりすると気持ちいいんだけど、こういう本はロケーションを選ばないゆえに逆にそういう気にはならなかった。
 
 「自分が生き残れたのには、二つ理由がある。一つは、混成部隊に入れられて、収容所での階級差別がなかったこと。もう一つは、収容所の体制改善が早かったことだ。自分がいた収容所は、方面軍司令部があったチタの街中にあったから、改善が及ぶのが早かったと思う。はずれた地方にあった収容所は、もっと死者が多かったはずだ」
 謙二は、自分が生き残ったのは、このような客観的条件が、偶然にもそろっていたからだという。彼自身は、自分の判断力や「心がけ」がよかったとか、精神力があったとか、神仏が守ってくれたといった見解をとっていない。
 
 これを読んだ時にすごく込み上げてくるものがあって、ここが一番印象に残ってる。他には、結核になったことを知らせた時に親父が「そうか」って言ったところ。
 あーあとシベリアで亡くなった仲間の最期をその兄に話したリアクションが淡々としてたってのも印象深い。
 
 シベリアに抑留された後に日本に帰ってきた時の感想「日本人ちっちゃいなーくらいしか思わなかった、意外とそんなもんだ」ってところにへぇーそんなもんなのかねーと思った。人生で一番強いへぇーそんなもんなのかねーだった。
 
 カバーかけて読んでたからタイトルも著者名もよくわからないままで、まさか息子が書いてる本だなんてことは終わりかけまでぜんぜん気付かなかった。
 確かにすごい親孝行だなこれは。父ちゃんも息子に話せてよかったと思ってるだろうなー。