母父トニービン

明るいところで読んでね

エエカゲンニセイジ

大井競馬場に行ってきたぞい。

たまには地方競馬に付き合えよって友達が言うから、えーとじゃあこの日ならいいよってことで今日に決めたのよ。そしたら数日前になって、どうやら8/28は「的場文男デー」だということを知った。1日のレース名が全部「的場ハンパないって賞」とか「大井の帝王賞」とかそんなんなの。

俺は地方競馬は年間でもそんなにやらないし、元々イベントの開催すら知らなかったくらいだから、的場文男っていってもそんなに思い出はないんだよね。「ケイアイレオーネでもうだめかと思ったところからソルテの2着に突っ込んできてくれてありがとう!」と「内からボンネが来たぞーぅぃ!」くらい。

たまに買うと来ないし。今日も結果的に相手でしか買わなかった。でも俺が競馬始めて間もない頃に、友達から「船橋石崎隆之、大井の的場文男南関東はこの二人だね」って教わったのは覚えてる。すでに当時もう大井の帝王だった気がするんですけど。

 

なんか競馬場内には的場文男の勝負服Tシャツを着てる人が異常なほどいっぱいいた。愛の深いファンが多いんだなー。と思ってたら帰りにスマホいじってて知ったんだけど、新記録になった7152勝にかけて先着順にTシャツを7152枚配ったんだってね。最後の10人とかってサイズ大丈夫だったのかな。

そうなると運営側もすごいわ。なんつーか、そりゃあ人を呼べるコンテンツなのはよくわかるよ。そう何回もやれるネタでもない。でも的場たった一人のために競馬場をあげてのイベントなんて、やるほうも大したもんだよ。

馬券のデザインも的場仕様になってんの。ここまで徹底してやりまっせ、という姿勢そのものがファンサービスになってるし、ファンが喜ぶツボみたいなものがもう全部わかってんのかね。そんでまた的場の単勝が本当によく売れてるんだわこれが。

まああの佐々木竹見の記録を更新したんだから、そりゃもちろんそれだけの価値はある記録と人物だよ。でも実際にこれをやるのはやっぱりすごいと思う。企画部が有能なのかな。スタンドや植木のライトアップとかも全部真っ赤だったもん。国道沿いのちょっと凝ったゲームセンターかよ。

 

なんだっけ、9レースだったかな、1800mかなんかのちょうどスタンド前発走のレースで、ゲート入りの途中で的場の馬だけ前に飛び出しちゃって、場内が和やかにワッハッハッハってなって面白かった。おいおいどんだけファンサービスするんだーなんつって。

そしたらレースではスタートで出遅れて、テレビ番組で後から音声を足したかのようなめっちゃめちゃベタな「あーあ・・・」が場内から聞こえた。直線で内から伸びてきた赤い勝負服を見て、「おいおいあの出遅れから持ってきたぞマジかよ」と思ったけどそれは全然別の騎手だった。

 

メインレースの前にその新記録の表彰式があって、まあそれも10レースが写真判定になってそのままゴール付近でうわぁーって悔しがってたらなんか人が集まりだして気付いたんだけど、客がほとんどみんなあの勝負服のTシャツ着ててすごかった。あれ首にタオル巻いてたらもう夏フェスかアイドルのコンサートだよな。友達がめっちゃ写真撮ってた。俺も撮った。

式には品川区長とか出生地の福岡県なんとか市の市長とかそういう偉いさんが結構多く来てて、しかも全員がYシャツの上から的場Tシャツ着てて、こういう人達が集まっちゃうような偉大な記録なんだよなーとまた違う角度からすごさを感じた。なんか競馬の記録って一般的に見てどれだけの価値なのかってよくわかんない時あるじゃん。

そのホワイトカラー上層部勢のスピーチが続く中で、的場文男の「還暦まで競馬だけやってきたおじさん感」がすんげえ際立ってんのよ。いや実際にどういう人なのかまで事細かには知らないけど、なんか嬉しいんだよそういうの。インタビューもなんか慌てちゃってんのかなんなのか、早口気味でなんとなくしかわかんねえの。

的場文男のそういう姿を見て、あぁ、こういう昭和な雰囲気を感じさせる人もこれから一気に減っていくんだろうなーと思った。こういうの見られるのって、競馬界以外の場でももうかなり貴重になってきてるよね。ゴドルフィンアラビアン系くらい貴重だよ。

 

友達と喋ってたんだけど、俺が競馬を始めた頃は河内・南井・的場均とかそういう見た目からしていぶし銀な感じの玄人好みな騎手もまだ多くいたのに、今は騎手っていったらみんな小綺麗にしててメディア対応もソツなくこなす感じのイメージに変わってきてるところがあるように感じるのよ。

もちろん時代の変化だとか、たぶん競馬学校での教育なんかもあるだろうね。それと武豊の振舞いが意識的にしろ無意識にしろ全体に変化を与えていったのもあるんじゃないかなと俺は思う。それがあかんねんハングリー精神がどうのこうのとかまでは思わないものの、貴重な存在だからこそ、的場騎手にはやっぱり長く頑張っていてほしいとは思う。

そんで式の終わりに「ドローンで全体の記念写真撮りますから、的場Tシャツを着てる方はどうぞ前においで下さい!」ってなった時、前のほうにいるTシャツ着てない人達がちゃんと自主的に下がってくのがなんか一体感あって面白かったよ。多くの人は基本的に祝いに来てんだもんな。

 

俺は日程的にたまたま今日行っただけなんだけど、暑くもなく雨も降らなかったし、とても楽しめたのでよかったなー。

生ファンファーレうめえなーと思ったのと、初めて食ったモツ煮丼うめえなーと思った。ボリュームがすごすぎて腹いっぱいになった。友達いわく金沢の牛スジ丼はこんなもんじゃないらしい。世界は広いね。

最終当ててなんとか電車賃くらいはプラスにできたのに、帰りに駐輪場の精算機で番号間違えて知らない人の料金払っちゃった。まあ今日は競馬場の入場料が無料だったしいいか。ガハハ。