大人になると、いや子供でもそうだが「お前みたいなもんが」というような意味のことを言われることは少なくなる。だからこそなのか、以前叔父との会話の中で「そういう明るい色のやつを部屋に置いとけよ、どうせ殺風景なんだろー?」と笑顔で言われた時はなんだか嬉しかった。職場で目上の人間に言われたりするのとは全く違う、屈託のないイジりだった。
近い意味で、2ちゃんねる特有の、いや2ちゃんねる特有なのかはよく知らないが、あのネット上の「"お前ら"文化」のようなものが好きだ。閲覧者である「お前ら」に対して上から目線の書き込みが散見されるが、あまり嫌な印象を受けることはない。表面上は互いに尊重し合わず、それでいて「お互いにダメなやつら」という仲間意識が根底に存在している。
名前とアカウントを持つSNSではなかなかこうはならない。無闇に互いを尊重し合って何が楽しいのだろう。かく言う私も褒められることにはやぶさかではないが、お互い馬鹿にし合える仲間ほど得難いものはない。
それでも、匿名掲示板であろうがSNSであろうが鼻につくやつというのは不思議なほど分かりやすく鼻につくので面白い。
鼻につく、というのは面白い言葉で、私の職場でやや敬遠されている人についてどこがどう苦手なのかと考えた時に「相手によってはっきりと態度を変える」「自分を大きく見せようとする」などが挙がるが、どんな言葉よりも「鼻につく」が一番しっくりくる。
これほど端的であまり具体性もないのに、人を表す時にこれほどしっくりくる言葉は他にあるだろうか。あった。「品がない」。
私がどうかということは置いておいて、綺麗なふりをして隠していても品のなさが滲み出る人間が見ていて一番気持ちが悪い。学のなさ、教養のなさとはまた違う。