母父トニービン

明るいところで読んでね

200も時

気が付けば空は暗くなり、待ち構えていたかのように生温い空気が身体を包み込む。路面は既に乾いている。高架下の金網が流れるように過ぎてゆく。真横を向けば風の音は止み、ペダルとタイヤの繋ぎはカタンカタンと繰り返す。地を這う蛙の声。いつになっても周りに馴染まない保育園や介護施設。区画整理中の更地を見渡す。店舗そのものが発光しているかのようなファミリーマート。次の交差点を過ぎると生活の明かりが見えてくる。