母父トニービン

明るいところで読んでね

2012凱旋門賞(オルフェーヴル)感想

 

いやー、泣いた。
 
残り300m、勝ちを確信した瞬間になんか色々と込み上げて泣けてきた。
 
「ウウッ・・・ついに・・・やったっ、やった・・・・・!」
 
顔を上げたら残り100m。
後ろから何か来てる。
いやいや、まさかここから差されないでしょ。
いやいや、近づいてきてるけどさすがに残すでしょ。
勝たせてくれ、お願いだから!あぁ・・・
 
「まだ」駄目ってことなのか?
 
とっさにそんなことを感じた。
今回ばかりは人知を超えた、何か別の力が働いているように思えて仕方がない。
 
・・・もしやペリエ、奴も俺と同じ邪気眼の使い手・・・!?
フランス競馬会は俺等とやり合う構えのようだな・・・よかろう。
時は満ちた。
俺の右腕に封じられし獣(ビースト)、闇影―ダークシャドウ―を解放する頃合いだ。
ククク・・・来年が楽しみだぜ・・・。
 
・・・現実逃避中なので気持ちの整理ができとらんとです。ヒロシです。手から草の匂いがします。
 
池江調教師の「期待して頂いた日本の皆さん申し訳ございません」って、ほんとにそんな気持ちなんだろうな。
 
「日本の競走馬が世界のトップレベルにあることは事実」
「勝負事は勝たなきゃいけない」
 
結果が求められる世界にいる人は言うことが違う。
ファンの批判を受けてでも騎手を変えて、帯同馬を連れてって一緒にレースで使って、前哨戦を勝って、これ以上ないってくらい万全の状態で臨んだ。
本番のレースでもほぼ予定通りに運んで、外から一気に伸びた。他の馬をまとめて交わした。
 
でも負けた。何で?
見たまんま、ドーンと伸びて最後脚が鈍ったところを後ろから差された。それだけタフな競馬だったってことだろうか。いや、納得できない。何でだろう。
中川さんは両さんにお金を貸さないけれど戦車や戦闘機は簡単に貸すの何でだろう。
 
負けは負け、悔しいのは確かに悔しいですっ!
でもなんか違うんだよねー。結果は2着だが、欧州の競馬に負けたとはとても思えない。
 
今回はたまたま負けただけ、なんて一番言いたくないやつだけど、ほんとにそんな感じ。
あぁ、もう!何で勝たせてくれなかったんだろう!イライラしてきた。
いや、キレてないっすよ。俺をキレさせたら大したもんだよ。
 
勝った馬の名前とか全然覚えてないけどどうでもいい。
大体ペリエとか、2001年のゼンノエルシドジャングルポケットタムロチェリーの頃からムカついてたんだよチクショー。小梅太夫
ムカついてそのままふて寝したの初めてだよ。目が覚めたら朝だし。
 
頑張って茶化して書いたけど、今回の負けはけっこう辛い・・・つらい・・・ライライライ
ラララライ!ラララライ!
 
・・・なんだバカヤロー。
 
 
*****
 
 
――数日後
 
 
徐々に気持ちの整理がついてきたので、改めて凱旋門賞について。
 
まず、レース前に思っていた・感じていた、後から考えれば頭の中にあったこと。
 
●日本馬アヴェンティーノ以外の馬は全て敵、人気馬・穴馬全く関係ない
 
●国内の競馬と違って当然馬券は買えない、純粋なスポーツとしての観戦になる
 
●過去にも日記等でいろいろ書いているが、やはり凱旋門賞に関しては自分の中に特別な情熱が存在していると改めて感じる
 
●前走のフォワ賞で勝ちアウェイの不安をある程度払拭してくれたので、冷静に見ても勝算は充分すぎる程にあると考えていた
 
●その一方で、アウェイの一発勝負である以上マークされる・意図的に潰される可能性や欧州の競馬に関する自分の無知も含めて何が起こるかわからない、という意味で不安な気持ちもあった
 
★数十年にわたって日本競馬が目標とし、幾度もチャレンジを続けてきた凱旋門賞…これを日本馬が勝った後の世界を見てみたい、と考え始めた(これはレースが近付くにつれて強く思うようになった)
 
●また岡部さんに解説やってほしい
 
●以前から宮根さんがどうも好きになれない
 
結構いろいろ考えてたんだな。
もしかして俺って頭良いのかな。
 
去年の自分の日記を見返してみると「ずっと勝てなくてもいい」と書いてあった。殺すぞボケ。
まぁ去年と今年でかなり意味が違うから気持ちはわかる、半殺しで許してやる。
 
 
今年の夏に、池添を降ろして騎手をスミヨンに変えるというニュースが流れた。
 
何故ずっとコンビでやってきた池添を替える?
 
スミヨンのほうが池添よりも技術が上なのか、あの馬を乗りこなすことができるのか、そういう問題じゃない。
舞台が日本ならいざ知らず、仮にフランスで全く同じ条件の下レースをして、10回乗って勝てる回数が多いのは池添と現地のトップジョッキーどちらか?
コンビ解消となれば長くオルフェーヴルが好きなファンほど怒り心頭だろうが、陣営はストイックに、ただシンプルに、凱旋門賞を勝つことを目指している。
 
そんなことを自分なりに色々と考えて「なんとなく続投派」だった俺の考え方もだいぶ変わった。
無事にフォワ賞を勝ってくれた時は本当に嬉しかったよ。
 
ただ今回の凱旋門賞に関しては、勝たないと意味がなかった。
負けて強しという言葉もあるけれど、オルフェーヴルがいくら強さを示そうが今回に限っては負けたら意味がない。
 
しかし騎手を含め関係者ができること全てを出し切ってくれたと思っているので、負けたことを批判するつもりは全くないし、敗因を何かに求めようとも俺は思えない。
レースを見ても日本の馬が欧州の競馬に負けた、という内容には到底見えない。
仕掛けのタイミングが早かったという声もあるし、結果を見ればその意見も間違っていないと思う。
でも「やっぱり騎手を替えていなければ」なんてとんでもない。
 
 
レースの残り300mで勝てると思ってフライング泣きした時、「日本馬が凱旋門賞を勝った先の世界」に突入した感覚が確かにあった。
「はじめの一歩」木村vs間柴戦で最後に木村が「ベルトに手が届いた」と思った瞬間みたいだった。
鷹村が言うように、ランキング1位に認定されることとチャンピオンをもぎ取ることは全く別のものだとなんだろうな。
 
野球だってWBCを勝つ前と後で何かが変わっているはず。
サッカ-だってW杯に出る前と出た後、予選リーグ突破した後で更に変わっているはず。
 
 
今回も「まだ」駄目なのか・・・。
 
何かスタンド攻撃を受けているに違いない・・・ッ!