母父トニービン

明るいところで読んでね

9/10

 

日差しこそまだ強いが、今朝は秋らしい空気だった。布団を干して家を出る。
日向に出ると少し汗ばむ。しかしすぐにスーッと引いてゆくのでむしろ気持ちが良い。秋の風はくしゃみが出る。川沿いは草の匂いがした。
そんでコンビニとか入るわけですよ。そしたら入口のスポーツ新聞の「長野 プレイボール弾」みたいな見出しが目に入ってきて、あぁ昨日は大竹よく抑えたよなぁ、この清々しさはあいつがくれたのかなぁ、なんてことを思ったりする。
 
夕方に草むしりをした。草むしりもくしゃみが出る。四つ葉のクローバーは無かった。探してもいないのに見つかるものでもない。
文化祭の準備をする高校生。浅黒く焼けたおじさんがランニングをしている。
コンビニにの入口には明日の競馬新聞が並ぶ。そうか、今日からもう中山・阪神で秋競馬なんだな。
 
一日中『それ行けカープ』のサビだけ歌っていたわけだが、これ、優勝決まったらどうやって喜ぶんだ、喜び方がわからん、と数日前から思っている。
一発勝負の競馬と違って、開幕からずっと本気で応援しているチームがシーズンで優勝するのなんて初めてなもので。
 
 
新井と黒田が抱き合う姿に泣いた。黒田が崩れる姿なんて初めて見たんじゃないか。
緒方監督が「本当に長い間お待たせしました、おめでとうございまーす!」と両手を広げて言う姿にも泣いた。なんたってそれ言う監督が生え抜きだもん。すごいわ。
泣いたけどもしかしたらそんなに喜びというのはなかったかもしれない。喜びって何だろう、よくわからない。
カープが優勝して俺が喜ぶっていうよりも、優勝が見られた、見せてくれてありがとう、という気持ちがほとんどだ。
 
酒を買いに、またコンビニに入った。
酒を買ってきて家で飲むなんてまずやらないのでアテの選び方がわからず、チーズとバターピーナッツとたまご蒸しパンを買ったが失敗だった。
 
カープは関東だと扱いがどうしても小さくなるので、アナウンサーが「それでは他球場の結果です」って落ち着いたテンションに戻るのが早くてそれはそれでズコーってなって面白かった。