母父トニービン

明るいところで読んでね

UENO

 いやーどうですかみなさん。どういうアレですか。わたしはこの前上野に行ってなんかふたつくらい美術館観てきましたよ。合計で3000円超えてもうた。

 

 まず何がすごかったかって入口のヘラクレスだよね。あいつ何を狙って弓を引いてんのか知らないけどさぁ、もう絶対射抜くっていう自信がみなぎってんのよ。それも間違いなく実力に裏打ちされたやつ。麻雀で高めの三色ツモるときの顔してる。西郷どん狙ってたりして。

 迫力とかオーラとかじゃなくて、淡々と最強な感じがすごい。最強っていうのは相対じゃなくて絶対のものなんだなーと感じた。古代のスパルタとかあんなやつばっかりだったんだろうな。

 いま画像検索してみて、一番いいアングルで撮ってんなーと思った写真が美術館公式のページだったからやっぱりさすがだなと思う。まあ実際にあんな体勢になるものなのかわからんしもうちょっと平らなとこなかったのかよとか思わないでもないけど、彫刻だからこそこの体勢で構える姿を作ったんだろうなーと思うとめっちゃすごい。

 長嶋茂雄が空振りしてヘルメットがずれてる写真あるじゃん。今みたいに連写とかないからあの姿を撮るには空振りした後を狙ってシャッターを切らないと撮れないらしいのよ。打席に入って真剣な表情で球を待つ姿でもなくホームランを打つ瞬間でもなく、長嶋の空振りに魅力を見つけて、そこを狙って撮るカメラマンがすごいねって話と似てる。

 っていうほどじっくり見てきたわけでもないんですけどね。なんやねん。だってまだ中に入ってないよ。入場券も買ってない。でもなんか妙に印象に残ってるんだよあいつが。絶対あいつに狙われたくない。

 あとこの暑いのに外で考え事してる人は足がでかかった。その隣でさるすべりが白い花つけてて綺麗だった。

 

 そんで観たいと思ってたやつは常設展っていうほうらしいんだけどまあせっかくだし今やってる展も一応観るよねーってチケット買って中に入ったらなんとなく先に企画展に行く感じの雰囲気だったからそのまま入っていった。

 アルチンボンドっていう顔が野菜とかになってる絵を書く人なんだけど、これが全然ピンと来なかたのよ。下書きいっぱいしたんだろうなーくらいしか思わなかった。

 うわーやめときゃよかったかなーと思いながらペース早めに眺めていったら、ちゃんと生い立ちとか時代背景とかを順序立ててゆっくり入れ知恵してってくれる展示の流れになってるのよ。

 そしたら途中からどんどん面白くなっていって、あーなるほど、そういうアレでこういうことなのね、はぁーそうですかそうですか、なんつってわかったような気にさせてくれちゃうからすごい。あれは展示会場の中のレイアウトを作った人がすごいのかな。

 まあそういう絵を献上するみたいな時代だからこそ生まれた絵なのかもな。ただ面白い絵を描く、発想がぶっ飛んだ人って印象じゃなかった。やっぱりわかったような気になっただけだからあんまりアレだわ、あのー、はっはっは。本の人の絵が面白かったです。

 

 その後に常設展のほう見てったんだけどキリスト教の絵ってなんか見応えがあっていいね。でも作品が物凄い量あるから全然テンションが続かなかったわ。あれはあれを観ようと思って観に行かないとだめだな。絵画を一通り流して観るってすげー難しい。

 そんでそもそも俺が何を観に行ったかって、おうちを建てるのが上手なフランス人の展示だったんだよ。美術館を建てたのもその人らしい。そう言われるとよくできた建物のように見えてくる。でもフランス人だと思ってたらスイス人らしいしあのややこしい名前は本名じゃないらしい。なんなんだよまったく。

 展示を観てもよくわからなかった。よく考えたら俺そもそも建築のことなんか全然わかんないし、ほとんどが説明文コーナーだったからさらっと流して観てたらゴールしちゃった。

 両肩をすくめて、終わっちゃったよ!って言う昔の三村マサカズのテンションで外に出たら美術館の奥にまた美術館があって、シムシティだったらこのへんの住民は教育レベル相当高けえだろうなーと思った。

 

 その奥の美術館はなんかアメリカの美術館のコレクションを借りてきたんだったかなんかそんな展示やってた。どこで入場券買うのかよくわからんかった。

 観てて気付いたんだんだけど俺たぶんピサロの絵が好きなんだな。代表作が何なのかとか別に知らないけど、地元の美術館で見かけた好きな感じの絵もピサロだった。ところでカミーユってほんとに女みたいな名前なのかね。アナベル・ガトーアナベルのほうが女みたいな感じするけどね。

 いやーしかし好みの画家がわかってくるとかすごいね。お金持ちみたい。あとモネもよかった。ゴッホあったけどあんまりテンション上がらなかったな。そもそも画家全般よく知らないし。ゴッホがどこの国の人なのかもわからん。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホとかVで攻めてくる感じはオランダかな。調べたらほんとにオランダだった。レミーボンヤスキー

 ピカソゲルニカは観てみたいなーと思う。どれくらいでかいんだろう。でもでかさを気にして観るってことは作品を鑑賞するよりも観る体験のほうを求めてるような感じあるな。あれは絵画なのかモニュメントなのか。なんでもいいわ。

 

 美術館ってけっこう歩くんだな。めっちゃ疲れた。オールスターは靴底が薄いから尚更だった。博物館はもうさすがに入る気しなかったので、最後に頑張って不忍池見てきたけど夕方だったから蓮が全然咲いてなくてしんみりした。