母父トニービン

明るいところで読んでね

人生どうでもエアスピネル

「女の子のなりたい職業1位はケーキ屋さんなのに、パティシエは男性のほうが多い」みたいな記事を見かけて、タイトルだけでめちゃくちゃ頭にきて読まなかった。

 

 俺も一番最初になりたいと思った職業はケーキ屋さんなんだよね。そんで親に大人になったらケーキ屋さんになるって言ったら、そうかーじゃあフランスに修行に行かなきゃいけないねって言われて、えっそんなの無理だよ……一人で外国で暮らすなんて寂しすぎるよ……って諦めたのよ。

 大人になってからふとそんなやりとりを思い出してよく考えてみると、俺がなりたかったのはニコニコしてケーキを売る店頭販売員なのに、親のアドバイスはパティシエのなり方なんだよね。ちーがーうーだーろ!ちがうだろ!

 スーツ着てカーディーラーで車売るのとトヨタの工場であの面を片手に溶接するのくらい違うだろ。俺はケーキ作りなんか興味ねえんだよ。あーあ。おかげで人生めちゃくちゃだよ。

 

 ちなみに記憶にある中でその次になりたいと思ったのはスーパーの店員。バックヤードから鮮魚コーナーに出てくる前掛けと長靴の人めっちゃかっこいいと思った頃があった。

 高校生の時にそのスーパーでバイト始めて、生鮮食品の担当じゃなかったけどまさにそのドアから出てくるようになったのでわたしの夢は15歳で叶いました。残りの人生は余生ですのでなるべく静かに暮らしたいと思っています。

 

 

 どうせめちゃくちゃな人生だしなってフェブラリーSエアスピネル買ったら最後に突っ込んできて興奮した。

 直線入ったとこで「おい……これ、来るだろ」って震えたよ。うわっ私の年収低すぎの人みたいな顔してたかもしれん。しかも前で粘ってるエアアルマスもバッチリ相手に入れてたからうわ私の一時所得高すぎっつって前のめりになっちゃった。

 でも結局一番人気のカフェファラオが最後に抜け出して、エアスピネルは届かず2着止まりだったのであんまり配当が伸びなかったんだよなぁ。うーん。

 まあエアスピネルも前を捌くのにちょっと手間取ったとこはあったけど、じゃあスムーズに伸びてたら頭まであったのかというとそこまでには見えないのよねー。惜しいけれど悔しくはないって感じ。

 

 去年のチャンピオンズCはインティ買っててクリソベリルが飛んだから複勝めちゃくちゃついて嬉しかったけど、今回のほうがよっしゃおらー感がすごい。当てた感と実入りが全く比例しないのも競馬の不思議なところだわ。まああれも2着に残ってればもっと嬉しかったけどさ。

 やっぱ穴馬は粘るより突っ込んでくるほうが興奮するな。宝塚記念デニムアンドルビーも興奮した。あれも2着だけどあの時は単勝買ってなかった。

 

 

 あとなんか一口馬主始めた。

 出資した馬の名前がぜんぜん覚えられないんだけどどうしよう。

 どうやらこの時期はもう選べる馬が少なくなっているタイミングらしくて、それで逆にあんまり迷わないで済んだ。でも馬を選んで金出す以外には特にやることないんだな。情報を待つだけ。まだ実際に金は払ってないけども。

 その情報もなんかふわっとした聞こえがいいこと言ってるだけだし。なんだよ伸びやかなフォームに変わってきましたって。べつに無事で長く走りゃフォームが窮屈だろうが関係ねえっつうの。

 

 昔の職場で一口馬主やってる人がいて、話を聞くと馬はそこそこ走ってそうなのに「近いうちにレース使うとか言っといてすぐ休んだり、ただひたすらイライラするだけなのであまりお勧めはしませんねぇ」って言ってたなぁ。

 まあアンガーマネジメントの練習ということで丁度いいね。昨日夜7時頃にパスタ屋入って食ってたら7時35分に会計いいっすかって急かされてめっちゃテンション下がった。師匠に手足切断されたり息子にお願いしてもダークサイドに堕ちてくれなかったりしても怒らないくらいにならないとね。

 コロナで暇だからとはいえ自分でも何で一口馬主なんか始める気になったのかよくわからんのだけど、もしかしたら応援する馬がいなくなったってのがけっこう大きいのかもしれんね。

 まあ何年かに一度くらい自分を更新する気分になる時があるんだけど、そんな頃合いなんだろうな。もう大人なんだから自分の楽しみくらい自分で作りましょう。このままいくと「最近の競馬はつまらん」とか言いそうだし。それはもう言ってるけど。

 じゃあ競馬が一番つまらなかったのはいつ頃だろうかと考えてみると、自分の人生がつまらなかった頃とはっきりリンクしている気がする。

 そうか!ってことは、競馬を楽しめば人生が楽しくなるのか!いやなにその楽しくなさそうな人生。

 人が生きると書いて人生、馬が競うと書いて競馬……か。