24年前に解散したバンド、CAPTAIN HEDGE HOGのライブを観に行ってきた。
いや24年前って。サッカーW杯でいったら前の前の前の前の前の前の日韓開催の頃だぞ。トルシエのフラットスリーだぞ。アザラシのタマちゃんだぞ。スカイツリーどころかまだ六本木ヒルズも建ってないぞ。
バンドってかっこいいなー。ライブハウスで見ると特にかっこいい。
いやまずなんたってライブハウスが久しぶりなのよ。スタッフのあの面倒臭そうに喋る声のトーンにさえ懐かしさを感じた。そうそうこれこれ!っつって。今あれ聞ける場所もどんどん減ってるからね。
受付を通ってフロアに入ると、めちゃくちゃ懐かしい光景が目に入った。薄暗くて、でもステージの照明は明るくて、よさげな音楽がなんとか会話できる程度のボリュームで流れてて、ワクワクするようなソワソワするような、この空間のどこに陣取ればいいのか決められない、居場所があるようなないような、とてもパーソナルスペースなんて隙間はないのにみんな平気でグラスに入った飲み物を持ち歩いてる空間。
なんか、なんか……。ここに俺の青春があったまでは言わんけど、しばしそういう類の懐かしさに浸った。始まる直前に音を出してチューニングを確認する感じとかもすげー懐かしい。
要するにすべてを忘れてしまっているんだよ。ライブ中はもちろん突っ立って観ることになるわけなんだけど、始まるまでの間、「あれ?これライブ中って手とかどうしてればいいんだっけ?ずっと腕組みしてんのも違うしなぁ」とかすげー考えちゃったもん。
結果、ひ弱なやつが体育の時間にやってるみたいに、右手をまっすぐ降ろして左手は右肘に置くスタイルになりました。
もちろん適宜両手を突き上げて一緒に歌うなどした。でも身長があるほうなので、周りへの配慮を持っていくらか控えた。自分がやりたいこと全部やり切らなくても充分楽しんで帰ってこられるくらいには、わたしはもう大人なのだよ。
ライブ終わりに、少し離れたとこにいた人とぱっと目が合った。昔のバンド関係の後輩っぽかった気がするけど見た目こわかったからスルーしちゃった。もう一般ピーポー以外と接するのこわくなっちゃってんだな俺は。
いやーしかしすごい話だよな。当時の自分に教えてやりたいよ。いやむしろ自慢したいね。お前、キャプヘジサイコーだったぞ。ウェーイ。いいだろ。
もちろん曲はかっこいいし、MCも面白いし。なんかtrf歌ってたし。「次の曲は、最新アルバムの1曲目!Let's lock!」とか言ってて笑っちゃった。確かに最新ではあるけどそれアメリカ同時多発テロの頃に出たアルバムですよ。まだiPodが出たかどうかって頃ですよ。
そしてありがてえよ。解散した時は本当にショックだったけど、今でもこうしてたまにライブを、それもワンマンライブをやるなんて、本当に不思議なバンドだ。キャプヘジサイコー。
ライブの帰り、駅のホームの静けさになんかすごく寂しくなっちゃう感じも懐かしい。ついさっきまで狭いとこであんな爆音に埋もれていたのに。あと家帰ってもずっと耳キーンとしてるのも懐かしい。
なにもかもが懐かしい。懐かしいってのは不思議な感情だ。その先に何もないのに、満ち足りた気分になる。