母父トニービン

明るいところで読んでね

わりぃ、ここしかなかったんだ~自己同一性の確立と発展~

 

人間には癖というものがある。

 

思考の癖、行動の癖、言葉の癖。

 

自身の癖、それこそがアイデンティティであり、私の癖そのものが私を私たらしめているのだと言える。

 

その存在を認め、欠点を理解し、また次の形態へとメタモルフォーゼしてゆく。

この行為を繰り返すことで人は多様性を身に付けるのである。

 

 

例えばドラゴンボールの主人公、孫悟空

 

 

彼の代表的なアイデンティティといえば

 

①おおらかな性格

②闘いにおける類まれなる強さ

③一人称に「オラ」という言葉を使う

 

の3点がまず挙げられる。

 

 

他に、過去に確立されていたが成長と共に失った(必要としなくなった)アイデンティティとして

 

④尻尾が生えていて、満月を視認すると大猿に変化して暴れ回る

 

があり、逆に以前は持たなかったアイデンティティとしては

 

⑤瞬間移動

 

がある。

 

 

ナメック星で最初に超サイヤ人に変化した時は一人称が「オレ」になり、周囲に対して彼は高圧的な態度で喋るようになる。

息子の悟飯には「さっさと帰れ」フリーザには「クソ野郎」と言ってのけるなど、上記②の飛躍的な増大とひきかえに上記①③のアイデンティティを一時的とはいえ完全に失ってしまった。

 

それで更なる魅力を感じさせてくれるところがまた素晴らしいわけだが。

 

 

そして後に彼は考える。

 

超サイヤ人の状態では、②の増大とひきかえに①③を失ってしまうことが分かった。

ならばその状態を維持し徐々に日常的なものへと変えてゆくことで②の増大はそのままに、少しずつ①③を取り戻すことは出来ないか。

 

鍛錬の結果、彼は更なる②の増大に加え、①③を取り戻すことができた。

 

ナメック星以前と単純比較すると、毛髪ほか一部外見の変化および息子が不良に見える程度のデメリットとひきかえに②の大幅な増大を手に入れるに至ったのだ。

 

 

この経緯は誰もが知るところであろう。

 

 

また①②③とは別のところでももちろん彼は変化している。

 

少年期の彼にとって④はとても大きな割合を占めていたが成長の過程で徐々に薄れてゆき、逆に⑤は彼が人間として成熟しようとする頃に他者からの指導によって確立されてゆく。

 

 

 

不可抗力によってもたらされたアイデンティティの消失や増大。

 

これに対し仮説を立てて行動し、トライアンドエラーを繰り返す中でひとつの道を見つける。

その道を進んでゆくことで失ったもののうち必要なものが修復され、気付けばそれまで持っていたものは大きくなっている。

 

そして不必要なものは消えさり、また外部から新たなものを吸収し自分のものとして活かしてゆく。

 

成長に成長を重ね、最後には過去に争い憎みあった敵とさえ融合できるようになるのである(ベジット)。

 

これこそが人間の成長である、と言わずして何と言おう。

 

 

そんな感じです。

 

 

 

 

よく人生を一日に例えて「君達はまだ朝メシも食べていない」みたいなことを言う偉いおじさんいるよね。

 

 

人生をドラゴンボール(全42巻)に例えると

 

 

小学校入学 ナムの天空×字拳が炸裂

 

高校入学 カリン塔

 

20歳 孫悟空vs天津飯

 

30歳 孫悟空vsマジュニア

 

40歳 汚ねぇ花火だ

 

ってな感じ。

 

悟飯がセルにキレる頃には年金もらってる計算。

 

 

やたら空白多くなったな。