グランアレグリアです。
最初べつに好きじゃなかったけど、あまりに強すぎてファンになってしまった。
サウジアラビアRC。
なんか新馬ですごいタイムで勝った馬がいるらしいじゃん。グランアレグリアか。名前も強そうだ。
いや出遅れてんじゃん。しかも引っ掛かってんじゃん。もう2番手じゃん。
盛り上がってまいりました!こういう人気馬が直線パッタリ止まると面白くなっ
……あれ?なんか、……あれ?なんで直線で突き放してんの?
あの馬、マリオカートのキノコ使ってない?完全に意味不明なスピードアップ、俺でなきゃ見逃しちゃうね。あんなの明らかにアイテム使ってる勝ち方だわ。並の馬ではない。
朝日杯。
「グランアレグリア、朝日杯参戦!」って話題になってて、なんでかと思ったら牝馬なのね。
完全に牡馬だと思ってた。どうも馬名の響きが牝馬っぽくないんだよなぁ。スパロボの機体で出てきそう。
この世代は他にもヴェロックスとかクロノジェネシスとかシャドウディーヴァとか、射程外からリニアレールガン撃ってきそうな名前の馬が何頭もいて、厨二心を刺激されたもんだった。
どうやら阪神JFの日はルメールが香港で乗るから、日程をずらして朝日杯に出てきたということらしい。って負けてんじゃねえかよ。
3歳。
ぶっつけで桜花賞だって。大丈夫かおい。買いたくねえなあ。当時はまだ、春のクラシックぶっつけ本番は不安要素とみ見る向きも少なくなかった。
当日は三強っぽいオッズになって、阪神JFとチューリップ賞を勝ったダノンファンタジーが1番人気、差がなくグランアレグリア、阪神JF2着からクイーンCを勝ったクロノジェネシスの順。
三強対決!もうなんかその字面でテンション上がるんだよ。桜花賞で三強なんてなかなか珍しい気がする。ほんで三強とか言われると俺は三番手のやつ買いたくなっちゃうんだよねぇ。
グランアレグリア圧勝!
え!?なにこいつ!?こんなに強いの!?朝日杯の負け方はなんだったの!?信じられない強さなんだけど。
完全に一強じゃねえかよ。誰だよ三強対決とか言い出したやつ金返せよほんとに。
でも、こいつがオークス出てきたらダントツ人気で絶対飛ぶよな。今から楽しみだなぁうへへへ……とか思ってたらNHKマイルCに出てきました。隙が無いですねぇ。
こりゃ朝日杯のアドマイヤマーズと2頭で堅てえわ。つまらん。
ところでこの週末は、元号が変わった令和元年最初の週末だったんだよね。
鞍上のルメールは平成の終わりに、桜花賞、サートゥルナーリア皐月賞、フィエールマン天皇賞(春)とG1を連勝中です。今日も単勝1.5倍だよ。もう逆らえません。
全然違うじゃん!
言ったよね?「NHKマイルCはグランアレグリア圧勝」って!この結果は何?
もういいよ!私、競馬やめる!
季節は冬に飛んで、阪神カップ。
グランアレグリア圧勝!
なにこいつ!?こんなに強いの!?NHKマイルCの負け方は何だったの!?信じられない強さなんだけど。
そうだわ、こいつ、強かったわ。忘れてた。たまに現れてめちゃくちゃ強いって、なんか聖闘士星矢のフェニックス一輝みたいだ。
まあしかし、桜花賞といいこの阪神カップといい、先行して直線でズドーンと伸びるこの馬の勝ち方、ほんとに衝撃的だよなぁ。
「先行」と言ったら「粘り込み」が相場なのに。競馬の概念が覆るよ。
4歳。
高松宮記念は、直線でゴチャゴチャやってる前の3頭目掛けて猛然と追い込んでくるんだけど、わずかにあと一完歩、届かないんだよね。
と思ったら安田記念は直線ズドーンと抜け出すいつもの勝ちパターンで、アーモンドアイを全く寄せ付けずに勝っちゃったりして。
スプリンターズS。
逃げるモズスーパーフレアの外から藤岡のビアンフェが執拗に競りかけてハイペースになった。あんたさぁ、ローエングリンの後藤とゴーステディの吉田豊じゃないんだからさぁ。やめてよ。モズから買ってんだから俺は。
前が全部潰れる中、後ろにいたグランアレグリアがクソゲーみたいな末脚を繰り出して差し切った。おいおいまたキノコ使ってねえか。
童話の『うさぎと亀』で、うさぎにルメールが乗ってたらこうなってたんだろうな。
マイルCS。
前目に行ったグランアレグリアのすぐ後ろで競馬していた福永のインディチャンプが、3コーナーから外に被せてそのままグランアレグリアを内に封じつつ直線に入って、完璧なタイミングで先頭に立つ。
完璧すぎる。前が壁になる怖さを知ってるからこその作戦ですね。失敗は人を成長させてくれる。
グランアレグリアは残り200mでやっとインディチャンプの外に持ち出せた。こりゃもう2着までだわ、と思ったら、並ぶ間もなく差し切って勝っちゃた。本当に一瞬だった。競馬はわからん。
嘘だろおい。これはもう馬が違う。強すぎる。参りました。本当に心底参ってしまって、完全にファンになってしまった。応援してます!
5歳。
いよいよ中距離の2000mに挑戦します。ここからが本番。
俺メジャーエンブレムが大好きだったんだけど、あの馬が秋華賞で2000mを走るのを見たかったんだよね。今思うと、その叶わなかった期待をこの馬にちょっと重ねていたっぽい。
大阪杯。
どうせグランアレグリアから馬券買うんだから、悩まずにさっさと買っちまえ!って金曜日のうちにPATでしこたま買い込んだら、日曜日の午後から雨降っちゃうんだよねー。メインの頃にはもうがっつり重馬場。なんで降っちゃうかね。
グランアレグリアは先行するんだけど3コーナーでコントレイルが外から上がってきて、距離の心配はあれどもそれに合わせてポジション上げていかなきゃしょうがなくなっちゃって、結局は2頭とも最後に脚が上がってしまった。
グランアレグリアは4着、結果は残念だった。でもなんか嬉しかったよ俺は。メジャーエンブレムは結局1600mしか走らずに引退になってしまったけど、この馬は出走できたからね。その姿を見られたからね。
しかも大崩れしたわけでもない。秋はどこを走るんだろうか。
一旦マイルに戻ってヴィクトリアマイルを楽勝、続けて安田記念も走る。
後方から馬群に突っ込んで抜け出しかかるも、なんと外を伸びた大穴ダノンキングリーが前に出ていて2着。
グランアレグリアの不安要素なんて探しもしなかったけど、実はスケベ心でダノンキングリーから買ってたんだよね。
当日仕事の合間にPATをチラ見したら残高が増えててびっくりした。でもまさかこのレースだとは思わなかった。
安田記念の勝ちを夏競馬できっちり溶かして、迎えた秋。
はい出ました名レース、2021年の天皇賞(秋)です。前年の三冠馬対決ジャパンCにも引けを取らない名勝負だと俺は思ってる。
三強対決です。大阪杯から直行のコントレイルが1番人気、そしてグランアレグリア、3歳最強のなんか主人公属性っぽさがあるエフフォーリア。3番人気で単勝3.4倍だからね。これが三強対決だ!
レースではグランアレグリアが2番手、その少し後ろにエフフォーリア、さらにその後ろにコントレイル。
まあ3〜4コーナーでなんとなく「これはエフフォーリア勝っちゃうかなぁ~、2着争いかなぁ~」って見えかけちゃったけどね。
でも直線残り300mくらいからは、まさに「三強対決」、完全に3頭の世界だった。すごかったなー。あれは幸せな時間だった。こういうのが見たかったんだよ俺は!
何よりも、良馬場の天皇賞(秋)で、グランアレグリアが走るところを見られてよかったよ。本当に。
マイルCS。
グランアレグリア圧勝!
華麗に差し切って有終の美。美しき、速さ。
なんだよ。結局最初から最後までずっと強かったのかよ。
グランアレグリア 15戦9勝 グランアレグリア (Gran Alegria) | 競走馬データ - netkeiba.com
終わってみれば、馬名の響きもなんだかエレガントな雰囲気を感じるよね。
誰だよロボットみてえな名前とか言ってたやつ。
【Gran Alegria】
スペイン語で「大歓声」。
いやコロナ禍でけっこう無観客開催だったけど。まあ「俺の歓声は届いてる」ってことか。うおーーーー!!藤沢ーーーーーーっ!!!!!
一時期は馬主・生産者による「使い分け」の影響で中距離は走らないみたいな噂も聞いたけれど、やっぱり挑戦する姿ってのはいいもんですね。
競馬ってのは夢半ばで敗れてしまうことのほうがほとんどだからさ。
同期のオークス馬ラヴズオンリーユーはドバイ、香港、アメリカと転戦して、海外G1を3勝した。
クロノジェネシスも秋華賞を勝って、宝塚記念、有馬記念、宝塚記念とグランプリを3連覇、凱旋門賞にも出走した。
3頭ともずっと一線級で5歳いっぱいまで挑戦をし続けて、3頭ともヒーロー列伝が制作されるなんてすごい世代だよね。
ちなみに私は氷河期世代で年金が心配なので、一発大きいのを早く当てたいです。
名馬って過去に沢山いるけどさぁ、「あの馬のベストレースは?」って質問の答えに、この馬ほど多くのレースが挙がる馬も珍しいんじゃないだろうか。
アンケート取ったことないから知らんけど。誰か9択でアンケート取っといて。
わたしの書いた競馬読み物 - 母父トニービン