母父トニービン

明るいところで読んでね

エヴァ観た

 エヴァ観た。なんかずっと泣いてた。

 

 いちいち拭ってもまたすぐ出てくるから流れるままに任せた。涙ってほんとに「流れる」んだなぁ。ぬるい涙が頬を伝う。

 マスクがビショビショになっちゃうから外しちゃった。平日午前中で半径2メートル以内に客いないくらいガラガラだったから許して。

 エンドロール終わってマスクしようと顎を触ったら喉仏のあたりまで濡れてたよ。

 旧劇場版の頃は「ああいうアニメ見てもしハマってしまったら歯止めの効かない俺は本気のオタクになっちゃうから絶対見ない」と目を逸らしてたのに、最後のエヴァでこんなに涙を流すなんて、俺も立派なオタクになったもんだ。

 ちなみに私はパチンコから入ってレンタルDVDでアニメ版見始めた組です。同時期にパチンコであった冬のソナタも全部DVD借りて見た。

 

 

 映画館の椅子に座っていた約2時間半の間で、スクリーンから発された『シン・エヴァンゲリオン』とこれまでの『新世紀エヴァンゲリオン』が、俺の身体の中を一気に通り抜けていった。

 眩い光に照らされて、鬱屈としたテレビ版も、甘き死よ来たれも、全回転に震えたパチンコも、『破』の衝動も、『Q』での失望も、スクリーンに投げつけられたペプシしそも、全てが過去になった。

 一番熱意を持ってエヴァを見ていた頃の自分が見たらどうだったかな。そんなんわからんけど、今の時代を生きる俺にはとても優しい着地だった。

 終わったらなんか気が抜けちゃって何も手につかないよ。充足感の中に喪失感もあったりして意味わからん。

 でもよかった。終われるって素晴らしい。俺も死ぬ時はそんな感じで終わりたいね。

 

 

 感想としては「嬉しい」が一番適切に思える。なんだろ。エヴァンゲリオンってのは作品というより出来事に近いのかもしれない。

 すごいね。長年に渡るある一連の出来事の、こんなに素晴らしい終わりを見られたんだね俺は。

 って言い方だと制作者へのリスペクトが欠けてるような感じもあるけど、登場人物達の方を向きすぎて制作者さんの顔が浮かばないのよ。コーンフレークは生産者さんの顔が浮かばへんのよ。

 

 いやーすごい。現時点で他の誰かの感想とか考察とか全く読もうと思わないもんね。自分以外の人間がどう感じたかなんてことに思いが至らない。落ち着いたら読むだろうとは思うけども。

 エヴァって大勢が観た/観る作品なのに、なんか恋人との思い出のような、自分と1対1の物語に思えてしょうがないんだよ。

 あーほんと何も手につかない。エヴァ観終わったらもう他に何もすることがない。

 

 

 

 すべてのチルドレンに、おやすみなさい。