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母父トニービン

明るいところで読んでね

ネオユニヴァースの話します

競馬 競走馬の話

 

先日軽めにネオユニヴァースのことを書いたら、もっとしっかりと書きたくなってしまったので書きます。長くなりそう。

 

いやぁ現役当時は特に好きってわけでもなかったのね。春のクラシックはサクラプレジデントのほうが好きだったし、ダービー以降はリンカーンを応援してた。

この馬はサンデーサイレンス産駒で確かに強いんだけど、華奢な体でスマートな切れ味だとか荒ぶる気性を闘争心に変えての激走だとか、そういう個性のある強さではなくて割と正攻法寄りで真っ向から相手をねじ伏せる強さという印象がある。

 

サクラプレジデント

 

最初に有力馬として期待されたのはサクラプレジデントだったね。田中勝春鞍上で札幌2歳ステークスを勝って、いろいろと余裕ができたので12月の朝日杯FSまではレースを使わなかった。

その朝日杯では1番人気に支持されるもなんと出遅れ、しかし最後の直線で内からいい勢いで伸びてくるんだよ。うおーこれサクラが差し切るなすっげーと思ったらゴール直前でぴたっと止まるの。ほんとに「ぴたっ」て音が聞こえた。セキテイリュウオーかよ。結局前にいたエイシンチャンプと福永が粘りきって勝利。

 

その2週後くらいのラジオたんぱ杯では既に重賞を勝っているブルーイレヴンが抜けた1番人気。

こいつは素質は一級品と言われたんだけれども気性が悪くてねぇ。まぁそういう荒々しさもまた魅力だったりするんだけど、何よりサンデーサイレンス全盛期にあって父サッカーボーイ×母父シンボリルドルフって血統がいいんだよ。

そうそうこの年は日韓W杯の年だったんだ。サッカーボーイの子でこの名前ってことはやっぱり期待をされていた馬だったんだろうな。

 

しかしそのブルーイレヴンは直線で全然伸びない。いや期待させといて何だよそれ。たしかこの時は雨で馬場が相当悪かったんだよね。

そこで圧勝したのがザッツザプレンティだった。これは強かった。鞍上は2ヵ月後に引退する河内洋、最終的にはこれが現役最後の中央重賞制覇になったんだね。

 

もう来年はこいつで決まりか?いやいやサクラプレジデントは出遅れてあそこまで盛り返したんだからまともに走れば負けないよ、いやーブルーイレヴンは今回馬場が合わなかっただけ、それより豊はトゥザヴィクトリーの弟サイレントディールを選ぶんじゃないか?だれかG1勝ったエイシンチャンプの話もしてあげて。

 

主役候補の多い年

 

明けて2003年、まず1月の京成杯ではブルーイレヴンがレース序盤にかかりまくって1コーナーでエンジン全開、さすがの武豊も抑えきれずに大逃げの格好となり最後はガス欠になった。ついに気性難が爆発してしまって自滅しちゃったよ。

勝ったのはスズカドリーム。鞍上の蛯名にスズカの爽やかな配色の勝負服が全く似合わなかった。勝利ジョッキーインタビューで「こんな、こんなことってあるのか・・・」とほんとにびっくりした。武豊はどの勝負服でも似合うのに。

 

続いて2月のきさらぎ賞、重馬場。ようやくネオユニヴァースが重賞に出てきます。前走で武豊を背に重賞を勝ったサイレントディールなどの強敵もいたけど、ネオユニヴァースが重賞初制覇。鞍上は福永。

 

3月の弥生賞。満を持してザッツザプレンティが登場、なぜかさらっと武豊が乗っている。エイシンチャンプもいました。結果は・・・エイシンが勝ってザッツはけっこう負けた。意外とやるなエイシンチャンプ

 

こうして有力どころがクラシック前哨戦でバタバタと負けていく中、その2週後のスプリングSではいよいよサクラの大統領が出走。主役は遅れてやってくる。いよっ!待ってましたっ!

重賞連勝で世代トップを狙うネオユニヴァースとの対決が注目された。ネオの鞍上は福永からイタリア人騎手のミルコ・デムーロに交代。どうせ次のG1で福永はエイシンチャンプに乗ることになってるから、次を見据えた騎手の起用です。

サクラはスタート直後から掛かった。代打騎乗の武幸四郎が長身の背中をずっと丸めて必死に抑えようとしてたのが印象的だった。

最後の直線はサクラとネオの一騎打ちになり、これをネオが制す。うぐぐ。サクラは最後わずかに根負けしたって感じだったけど、ここを叩いて調子を上げれば充分巻き返せるという印象を持った。

あっちは前走からの勢いがあって、こっちは休み明け。おっけーおっけー問題ない。

Yes,we can。

 

さぁどうなるクラシック 

 

皐月賞

サクラの主戦騎手、田中勝春はこの時点でG1レースに限ると10年以上に渡って100に迫るほどの連敗中。確かに大相撲の寺尾みたいにたくさん負けるってことはそれだけ一線で闘い続ける実力があるってことなのよという見方もあるが勝春の場合はもう完全にネタにされ始めてていて、田中負春なんて言われてた。俺も言ってた。

 

レースはまたサクラとネオの一騎打ちとなり、前回よりも差は縮まったが勝ったのはまたもネオ。デムーロは日本のG1初勝利。

ゴール後にデムーロが勝春の頭をパコーンと叩くシーンは有名だよね。あれ、デムーロが嬉しくてハイタッチしようと手を上げたら隣で勝春がヘコんで下向いてて、咄嗟にその手で頭を叩いちゃったんだってね。ノリ悪りーなおい!って感じで。デムーロのテンションと勝春のテンションの対比が面白くて余計笑っちゃう。

少し離れた3着はエイシンチャンプ。渋い。

 

結局サクラはねぇ、気性が前向きすぎてどうしても引っ掛かっちゃうんですよ。これ以上距離が伸びたらもうあかん。ダービーはちょっとどうかなぁ。

 

 

日本ダービー

この日は重馬場だった。重馬場・・・?ってことは重馬場で重賞勝ってるネオとザッツで決まりや!ザッツも実力は足りとるはず!サクラは距離もたん!いらん!1点勝負でいただきや!

ネオユニヴァースは道中で武豊サイレントディールに内に閉じ込められて腹を括ったのか、4コーナーでみんな重馬場で荒れた内側を嫌って外めを回ってるのに敢えてコース内側を突いた。そしてそのまま勝ち切った。

ウイニングランでヘルメットを取ってペコペコ頭を下げる坊主頭の若いイタリア人。すごく印象に残ったなぁ。

 

ザッツザプレンティも外から伸びたんだけどゼンノロブロイを差せそうで差せなかったんだよね。いやーいいとこ狙ったと今でも思うんだけどなー、1着-3着か・・・ってワイドでも10倍ついたのかよ・・・

この時ゼンノロブロイにすげーむかついたのでこれ以降ゼンノロブロイは意地でも買わなかった。そのせいで翌年は本当にひどい目にあった。

サクラはやっぱり引っ掛かってしまい、7着に着順を落とした。そういう予想は当たるのかよ。

 

攻めの二冠馬

 

そんで何が凄いかって、普通はここから秋までゆっくり休むのに宝塚記念に出るんですよ。

前年にローエングリンが3歳で出走して3着に好走したのも出走に前向きになる要因だったのかな。しかしそのローエングリンはこの年出走してこなくてむかついた。と思ったらヨーロッパ遠征行ってそっちで好走したんだよ。逆境に強いんだか何なんだか。

二冠勝った3歳馬が宝塚記念出るなんて聞いたことないぞ。無理して秋に支障出たらどうすんの?が半分、うおーおもしれー楽しみだ、が半分。

 

宝塚記念

さあ二冠馬どんなもんか、やれんのか、やれんのかおい、と思ったら出遅れて俺もずっこけた。

そしてまさかまさかのヒシミラクルですよ。ビックリ仰天なんてレベルじゃないよ。競馬というものに戦慄を覚えた。すごい、とマジかよ、のあいだ。

 

 

札幌記念

サクラの大統領がここに出馬してきた。3歳馬が出走するのがちょっとしたトレンドになってたんだよね。

なんかさらっと武豊が乗ってるぞ。強敵エアエミネムを倒して勝利。正直、騎手の違いという気はした。

 

 

神戸新聞杯

デムーロ短期免許制度の関係でもう年内いっぱい日本では乗れない。ネオユニヴァースにはとりあえず福永が乗って、ゼンノロブロイの3着に負けた。武豊のサクラは2着、負けはしたもののようやくネオに先着した。

 

三冠どうでしょう

 

菊花賞

クラシック三冠制覇がかかってるのに二冠を共に勝った騎手が乗れないってのはちょっとねぇ、ってんでJRAの計らいでルールが一部改正されて、 デムーロが乗れるようになった。ファンからすると、これはかなりJRAのポイント上がったよね。

しかし勝ったのはザッツザプレンティ安藤勝己が向こう正面から一気に仕掛ける大勝負で勝ちきった。俺は2着のリンカーンから馬券買って、ザッツには流していなかった。あー!馬券へたくそすぎる!

ネオは3着でも今日は完敗という感じで、ゼンノロブロイはコーナーで詰まって残念な4着。大統領はかかり通しで惨敗。というかそもそも菊花賞に出るとはなぁ、というのは今の感覚だろうか。

 

 

ジャパンカップ

これまたなかなかの重馬場で、タップダンスシチーが大差で逃げ切った。なんか変なレースだったな、すごいけど何これ、みたいな。

ザッツが2着、ネオは4着、サクラの大統領は菊花賞に続く惨敗で支持率がだいぶ低下してしまった。Change,we need。

 

この後はネオ、サクラ共に有馬記念を回避して翌年春までお休み。

 

んなアホな

 

中山記念

サクラプレジデントが出馬。ローエングリンやサイドワインダーを軽く蹴散らして、いよっ!大統領! ってな強い勝ち方だったね。

ようやく本気出し始めた、また強い大統領を見られるぞ~ワクワクと思った矢先に体調を崩してしまって、長期休養に入る。うぐぐ。

 

大阪杯

ネオユニヴァースが完勝した。マグナーテンほんとに稼ぐなぁ、くらいしか他に記憶がない。

 

天皇賞

レース前はネオユニヴァースザッツザプレンティリンカーンゼンノロブロイの4歳4強と言われて、どれが勝つんだ?と話題になったが、イングランディーレおじさんがまさかの逃げ切り。んなアホな。

 

 

んなアホな。

 

 

武豊リンカーンの馬券握って東京競馬場のターフビジョンで見てたんだけど、観衆のどよめきが凄かった。

あれ?・・・おい・・・おいおい・・・これって・・・おいおいおいおい!おおおおおおおおおおおおおおってなった。表現へたくそかよ。

いやーまさか4強全部負けるなんて思わなかったよ。すごい。競馬すごい。

 

そして、ネオユニヴァースは次の宝塚記念に向けて調整している時に怪我して引退します。

というわけで急に話が終わります。んなアホな。残念ながら、競馬とはそういうものなのです。

 

ちなみにザッツザプレンティもこの頃に怪我して休養入り。翌年復帰したけど負け続けて引退。

 

休んでたサクラプレジデントは秋に復帰したけどこれも怪我して引退。

 

ゼンノロブロイはこの年の秋にG1を3連勝して2004年度代表馬になった。こいつ翌年の引退当時は通算獲得賞金2位じゃなかったっけ。とにかくすっげー稼いだ。

 

リンカーンは頑張って翌々年まで現役を続けたんだけど、ディープインパクトの登場などもあってG1で好走を繰り返したものの勝てなかった。

 

 

えー!この馬のヒーロー列伝ないのかよ!

 

引退式ではラルクのNEO UNIVERSEが流れてました。粋なことするね。

 

生まれ変わる季節よ

切なすぎた季節よ

空のように一つに

結ばれようneo universe

 

NEO UNIVERSE-L'Arc-en-Ciel

 

いいですねー。

 

なんだかんだ言ってこの世代はみんなで一緒にクラシックを走ってた頃が見てて一番楽しかったなあ。特にダービーはみんな一緒に勝利を目指して走ってた、という気がしてとても印象深い。

 

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ネオユニヴァース 13戦7勝 ネオユニヴァース|競走馬データ- netkeiba.com

サクラプレジデント 12戦4勝 サクラプレジデント|競走馬データ- netkeiba.com

 

ちなみにこの世代で一番好きだった牡馬はユートピアです。そうきたか。

牝馬はこいつ。

kwchn.hatenablog.com

 

デムーロの話もします

 

ネオユニヴァースで初めてG1を勝った、イタリア人騎手のミルコ・デムーロ

彼は日本競馬が好きすぎて毎年のように短期免許を取得して日本に乗りに来て、本当によく勝っていた。あっ今デムーロ来てんだ、じゃあデムーロ買っとこう、くらいのノリですよ。

 

天覧競馬として行われた2012年秋の天皇賞デムーロの乗るエイシンフラッシュが勝った時、俺は東京競馬場で見てた。ウイニングランの嬉しそうな表情や仕草や天皇陛下に向かって跪いて最敬礼した姿なんかを見てても、本当に日本が好きなんだなぁってのがよーく伝わってきた。

そして遂に試験に合格して、今年2015年からはイタリア国籍のままで日本中央競馬会所属の騎手となりました。しかもネオユニヴァースの年と同じように、ドゥラメンテで皐月賞とダービーの二冠を勝った。

それで尚更インタビューに引っ張りだこになるんだけど、なにかにつけてネオユニヴァースを引き合いに出すんだよね。本当にネオユニヴァースのことが大好きなんだろうなぁ。

 

あの馬がデムーロと日本競馬を繋ぐのに大きな役割を果たしたんだろうと思うとなかなか感慨深い。

 

産駒も活躍

 

引退の翌年から種牡馬として仕事を始めたネオユニヴァース

 

初年度の産駒からいきなりアンライバルド皐月賞を、ロジユニヴァース日本ダービーを勝つ。すごいね。でもこいつら1番人気になると飛ぶんだよ。困るよほんと。

 

そして翌年の産駒ヴィクトワールピサは1番人気で皐月賞を勝つ。暮れに有馬記念を勝ったあと、翌年に世界最高賞金でお馴染みのドバイワールドカップを勝っちゃう。

しかも鞍上はデムーロ!この時もネオユニヴァースの話ばっかりしてた。

粘りまくって2着に残ったトランセンドと2頭合わせて600万ドルくらい咥えて日本に帰ってきた。

でもその2011年は歴史上いちばん円高な時期なのでした。まじうける。