失われてゆく、らしさ。
俺らしいとか俺らしくないとか、そういうものが、失われてゆく。
そして失われてゆくと同時に、構築されてゆく。
自分が一番自分らしかったのはいつか。
そんな時期なんてものはない。
考えてほしい。
ドラゴンボールの孫悟空が一番孫悟空らしかったのはいつだろうか。
天下一武道会で年齢の間違いに気付いた時か。
武舞台上で「じゃケッコンすっか」とチチに言った時か。
クリリンがとどめを刺そうとするのを制止してベジータを逃がした時か。
自爆しようとするセルと共に瞬間移動して「わりぃ界王様」と謝る時か。
ウーブと共に去っていったラストシーンか。
森進一が一番森進一らしかったのはいつか。
ナリタトップロードが一番ナリタトップロードらしかったのはいつか。
逆襲のシャアのシャアはシャアらしくないのか、そんなことはない。
彼らはずっと彼ららしい。
そういうことだ。