「紅だーーー!!!」ってすごいな。
あれじゃんもう「This is a pen」の領域じゃん。日常会話で「紅だ」なんて言い回ししないじゃん。疑問系の「紅ですか?」もそう。「Is this a pen?」と同じ。普通に生きてて紅かどうか確認することがないからね。
っていうかあれ「次の曲は……お待ちかね、紅だーー!!」じゃないからね。曲の途中で叫んでるから。ギターの静かなイントロから始まって歌が加わって、さぁここからサウンドが激しくなるよってところで叫んでんだよ。
だからもう観客もみんな紅だって知ってんだよね。「次の曲なんだろう、そろそろ紅かな?まだかな?早く聴きたいなぁ紅」(紅だーー)「やった!紅だ!」じゃないんだよ。
なのにあんなに盛り上がるのすごいわ。ハンバーグ食ってる途中で「ハンバーグだーー!!!」って叫んでも誰もテンション上がんないじゃん。
お前はどうなんだよ。お前は紅か?紅じゃないのか?虎か?寅か?それとも紅か?自分で決めるんだよ。今こそ紅かどうかを確認するんだ。自分の心と会話しろ。なんか洋楽の歌詞の和訳みたいになったな。
ちなみにわたしの今年の干支は鯉です。
マックのポテトがあるとか無いとか話題になってるけど結局どっちなの。
マックポテトといえば10月くらいにマクドナルド入ったらそこそこ混んでて、厨房の店員もそこそこの人数いるのにてんやわんやなんだけどそれでいてみんな活気があり忙しいながらもニコニコしていて、なんかあのー客が注文するとみんなで歌を歌いながら出してくれるストーンアイス屋さんみたいな感じの雰囲気だったのよ。
よーしこれだけ回転してれば絶対揚げたてのポテト食えるなーと思ってセットでLサイズ頼んだら、いやまあどっちにしてもLサイズ頼むんだけど、食べたらすげー冷めてたんだよね。
作り置きしたやつの容器からはみ出てるとこだけ冷えちゃったのかなーと思いながら食べてたら中のほうまで完全に冷めてて、なぜか妙な懐かしさを覚えた。
あれは土曜日がまだ半ドンだった小学生の頃、昼に帰ってきて玄関を開けると親父がステレオで流してるお気に入りのケニーGが聴こえてくるのよ。まあ別に音楽とか詳しくない親父なのでお気に入りというのかナントカのひとつ覚えというのかはあのーアレですけど。
そんでただいまーっつってテーブルに目をやると、マックの持ち帰り用の白い紙袋を折り目に沿って破いて開いたやつを皿代わりにして広げたポテトを母親がつまんでたのを思い出したんだわきっと。
冷えてしなしなになってる感じが完全にテイクアウトのポテトだった。あれは冷めたのをよそって容器に入れたのかね。
そんなことを考えながらハンバーガーを食べるうちに、換気の効いた店内でポテトはどんどん冷えてゆく。店員の和やかな笑い声が聞こえてくる。
そんな僕たちの漫才を、今から見て下さい。いや始まってなかったのかよ。