母父トニービン

明るいところで読んでね

キズナの話します

 

はぁ・・・じゃあキズナの話しますね。

いつもいつもそうだけれど、競馬のひとつの時代というのは突然終わりが来る。

 

キズナ

 

ディープインパクトの仔で、デビュー前からけっこう評判良かったよね。武豊が自分のブログでファレノプシスの下が良い感じって話に出してた。

ただねー、名前がねー。こいいう"綺麗で良い感じの日本語"一語の馬って、やってやった感が強すぎて正直愛着が沸きづらいのよねー。

うわーやっちゃったかー、そっかー、が名前の第一印象。

 

デビューは2012年の秋。新馬・特別と軽く連勝して、暮れのラジオNIKKEI杯へ。

ここにはシーザリオの初仔・エピファネイアも同じく2連勝で出走してきた。調子乗んな。

名前の意味はシェイクスピア絡みらしく、わかる人にはわかるらしい。鞍上は福永。調子乗んな。

 

まあシーザリオはけっこう好きだった馬だから、そこに免じて軽く相手してやってよ、なんて思ってたら逆にエピファネイアに軽く勝たれちゃった。もう4コーナーの手応えが全然違う。

キズナは2番手にいたのに余裕で交わされてしまったし、逃げたバッドボーイも捕まえられずに3着。これは正直ガッカリした。

 

なんとかクラシックに乗ってくださいマジでお願いします

 

年明け初戦は弥生賞。なんてったって有力馬だもん。

無敗で堂々としていやがるエピファネイア、鞍上はビュイック

更にコディーノも出走してくる。キズナは3番人気。

なめられてるぞ!ここで巻き返そう!いったれキズナ

 

結果はカミノタサハラーミヤジタイガで万馬券。なんじゃそれ。

キズナは後ろからちょい伸びで5着だったかな。絶望。これもうクラシックは通用しなそうだな。来年のサマー2000で会いましょうってか?あーあ。

 

あまり間を空けずに毎日杯。このローテーションの時点で、皐月賞はパスしてダービー目指す感じだね。まあ連敗したんだからしょうがない。しょうがないよ・・・

とりあえず後方に構えて、大外回って綺麗に差し切る。この時の勝ち方が父ディープインパクトそっくりなんだよねー。

でもまぁ、ここで楽勝したところでダービー狙えるかどうかなんて、ねぇ・・・

 

皐月賞

けっこう流れてるのにエピファネイアは引っ掛かって負けるし、コディーノはぜんぜん伸びない。なんだよ大したことねぇなお前ら。

はい出ましたロゴタイプローエングリンの仔ですよ。父親と違って大舞台でなんと強いことか、これでG1はふたつめ。

 

京都新聞杯

キズナは予定通りにこっちへ。今回も4コーナーまでじっと後方に控えて、胸のすくような大外一気の差し切り勝ちを決める。

こういうスタイルってことか。ちょっと希望が出てきたぞい。ぞいぞい。

 

次はいよいよダービー。

キズナはスタイルを確立して連勝中、ロゴタイプはかなり強かったけどダービーより皐月賞のほうが条件が合ってる感じがする。コディーノは脱落気味、エピファネイアは距離持つかどうか?不気味だけど。

 

あれ?冷静に見てキズナいけそうじゃん?

 

日本ダービー

 

なんとキズナが1番人気、ほぼ並んでロゴタイプが2番人気。続いてエピファネイア。あれ、コディーノは騎手が変わってるぞ。

 

レースはそれぞれのスタイル通りの位置取り。エピファネイアが向こう正面でちょっと躓くがそんなに大したことはなさそう。

キズナは4コーナー回っても後方、ロゴタイプはいつもほど仕掛けてこない、馬群の中からいい感じに穴馬を交わしてエピファネイアが先頭に立つ。

 

・・・駄目だっ!それだけは!誰か!

 

外から何か来た!誰でもいい!差せ!

 

キズナか!差せ差せっ!

 

よし、あっぶねぇ・・・

 

1着はキズナさん、2着がエピファネイア

 

もうさ、エピファネイアが抜け出した瞬間は現実逃避しかけたもんね。

ほっとした。とにかくほっとした。ありがとうキズナさん。

 

と安心したのもつかの間、今度は「なんだよまたユタカかよ!」とイラッとした。直後、「ん?"また"って何だ?」と我に帰る。俺の頭の中どうなってんだよ。

この頃の武豊はキャリアの中でも不調期といえるくらい成績が伸びていなかった時期だったのに、俺が過去に何度も何度も繰り返し味わった感情が条件を満たされたため反射的に顔を出したらしい。アンチだった頃の記憶、負け犬根性とも言う。

 

このレースは「武豊復活のダービー勝利」とよく言われた。この頃の武豊は本当にキズナさんくらいしか有力馬がいなかったもんね。

ひとつ思うのは、過去にアドマイヤベガで一度この勝ち方・乗り方をやっていたのが大きいのかもしれないな。やっぱり武豊武豊による勝利なんですよ。

何にせよ、武豊にはダービー勝利が本当によく似合う。

 

俺は頭がおかしいから、この時メイケイペガスターから買っていた。仕方ないよね、頭がおかしいんだから。

 

 

それぞれの秋、大一番へ

 

キズナさんは凱旋門賞エピファネイア菊花賞コディーノ天皇賞を目指すことになった。ロゴタイプ札幌記念で調子崩してしばらくお休み。

もうこの秋から目指すところは別々になった。

 

 

二エル賞。

キズナさんどれくらいやれんのかね、どう乗るのかね、ロンシャンの馬場合わなそうだよね、なんとなくだけど。なんて思って見てたら自分のスタイルそのままに乗って、ゴールの瞬間は一瞬負けたかと思ったけど勝っちゃったよ。

マジかよ、英ダービー馬負かしちゃったよ。武豊も嬉しそう。というか、誇らしげだった。

 

 

神戸新聞杯

エピファネイア楽勝。引っ掛かって潰れるのを期待して他の馬を買ってたから、あーあ、しか感想がない。

 

 

凱旋門賞

この年はキズナより断然オルフェーヴルを応援していた。

俺は「オルフェーヴルが勝つところを見るレース」だと信じて疑わなかったから、まあキズナ君も頑張ってよ、くらいにしか思っていなかった。日本勢"第二の矢"、とも思っていなかった。

 

レースではオルフェーヴルが中団やや後方、キズナはその後ろにつける。トレヴが先に外から上がっていったのでキズナも早めにこれを追いかける。

その過程で武豊は隣にいたオルフェーヴルの進路を全く空けることなく上がってゆく。これはしびれた。今までの武豊の騎乗で一番しびれた。やっぱり武豊は格好良い。

結局そのままトレヴが抜け出して勝利、オルフェーヴルは2着、キズナは最後伸びきれず4着に敗れる。

 

本気の勝負とはいえ、この馬の場合はまだ来年があるからね。未来には充分期待できる内容なんじゃないかな。負け惜しみではなく。

 

 

菊花賞

全然覚えてない。エピファネイア菊花賞勝つとはねぇ。

 

有馬記念で対決かって話もあったけれど、結局はどちらも回避して来年に備えることに。

 

古馬として

 

大阪杯

ダービー以来、2頭の久々の対決。

なんかねぇ、なんか知らないんですけどねぇ、ネット上ではエピファネイアのほうが人気になってるんですよ。なんで?

報道もエピファネイアエピファネイアってうるさくて、これはイライラした。

まぁそうは言っても当日はキズナが1番人気でしょうよ、と思ってたらエピファネイアだったんですよ。なんで?

 

しかーし、結果はキズナさんの気持ち良い差し切り。久し振りに競馬でスカッとした。痛快だった。

人気になったほうはトウカイパラダイスを捕まえられず3着。ちょっと騎手の乗り方が批判されてたけど、まあまあそのへんのことも含めて「人馬」ですから。ガハハ。

今、書きながら、あの初対戦のラジオNIKKEI杯をそのまま返したようものだな、と思った。

 

この後、エピファネイアは香港のレースへ遠征して4着。

 

 

春の天皇賞

あらら、キズナさん1番人気ですよ。それにしても妙にオッズが低い気が・・・。

直前に武豊情熱大陸で特集されて、その影響もあったのかもしれない。

 

まあ買ったけどね。キズナさんから買ったけどね。他に買いたいのいなかったんだもん。

そしたら4着ですよ。前に3頭も馬がいる。なんだか妙に納得というか何というか・・・あーやっぱり駄目だよね、と思った。

 

残念ながらレース後に骨折が判明し、今年は凱旋門賞は目指せないことになってしまった・・・

 

何なんだ、こいつ?

 

エピファネイア秋の天皇賞から始動し、そこで負けた後にジャパンカップへ。

ここは福永がジャスタウェイに乗るため、騎手はスミヨンに変わった。

 

スタートからずーっと掛かりっ放し。大きいレースでこれだけ掛かり通しなのもなっかなか見ないよ。3番手の内で騎手が必死で手綱を抑えてて、4コーナー回ってもまだ引っ張ってる。ククク・・・

さーてどれが差してくるのかな、と思った途端、エピファネイアがズゴーンと抜け出して圧勝した。

 

信じられん。

 

エピファネイアがここまで強い競馬するのも驚きだけど、これだけ大きなレースであんなに掛かり通しのまま圧勝する馬がいるなんて。

何なんだ、こいつ?

 

この後数日間、YouTubeでこのレースを見て、強えー、うわー、つえー、って言うのを何度も繰り返していた。

 

 

有馬記念

キズナはここでの復帰を目指していたが間に合わず。エピファネイアは積極的に乗ったが最後止まってしまって5着くらい。

 

 

切ない2015年

 

京都記念

みなさーん!キズナさん復帰ですよー!

なんかハープスターとかいるけど少しも寒くないわ。

ってハープスターが1番人気なの?またこのパターンかよ、やれやれ。武さんキズナさんやっておしまいなさい。

と思ったらキズナ3着、ハープスターはさらに後ろ。勝ったのはダービーを一緒に走ったラブリーデイ。

 

まぁまぁキズナはずっと休んでたんだからしょうがないよな、休み明けとしての走りとしては及第点だよな、とどこかで思いつつも、こんなところで負けちゃだめだろ・・・というのが正直な気持ちだった。とりあえず、もう一度勝つところを見せてくれないと安心できない。

 

 

ドバイワールドカップ

出ました、1着賞金600万ドルのレース。エピファネイアよ、賞金2億5000万円のジャパンカップを勝っただけではまだ足りないのか。

初ダートということでそこがどう出るかと思われたが、全くレースについてゆけずにドベ負け。まあまあこれはしゃーない。次頑張ろう。

 

次頑張ろう?

ん?なんなのこの感じ。

 

 

大阪杯

キズナ出走。断トツの1番人気。そりゃそうじゃ。ゆけっ!キズナ

ツイッター大好きルメール君が乗っている牝馬ラキシスに負けました。

これは本当にショックが大きかった。頭にきた。前にもこんな絶望を味わったことがあったっけな。今回はもう実績を残しているぶんだけ、余計に腹立たしい。よりによって牝馬に・・・

 

 

春の天皇賞

えっ?キズナまた1番人気?あぁ、他にいないのか。ゴールドシップは信用しきれないし、ねぇ。

キズナ君は腹を括って最後方から直線に賭けたけど、全然ダメ。

 

俺は頭がおかしいからデニムアンドルビーとスズカデヴィアスを買った。2頭軸の3連複を総流しで買った。仕方ないよね、頭がおかしいから。

 

この3連敗を受けて、凱旋門賞への挑戦は取り止め、秋は国内専念となった。

 

・・・・

 

そして、エピファネイアは6月、キズナは昨日、怪我で引退となりました。

 

今年は秋の天皇賞を見に行こうと思ってたのになー。残念だ。

じゃあロゴタイプから買うか。

 

結局どれくらい強かったの?

 

f:id:kwchn:20150921224423j:plain

 

キズナ 14戦7勝 キズナ|競走馬データ- netkeiba.com

エピファネイア 14戦6勝 エピファネイア|競走馬データ- netkeiba.com

 

キズナディープインパクトの子・ファレノプシスの弟。

エピファネイアシーザリオシンボリクリスエスの子。

どっちも超良血だな。

 

俺はキズナ派だったけど、エピファネイアもファンの多い馬だった。

もしかしたらこれ読んで怒る人の方が多いかもしれないね。はっはっは、怒れ怒れ。

 

友人がこの2頭について「結局どれくらい強かったんだろうね」と言っていて、確かによくわからないところがある。もしかしたらめっちゃ弱い世代の可能性もあるよな、と思った。思ってないけど。

どちらにしても、2頭共に印象に残る勝ち方をする、というのは間違いないと思う。いやあのー、菊花賞はアレだけど。覚えてないけど。真面目に見てなかったし。

 

 

ところでトウカイテイオーの血統が途切れようとしている今、競馬ゲームのウイニングポストシリーズでは「ディープインパクトキズナ→サードステージ」という繋がり方になるのかもな。母親がシーザリオだったりして。

 

佐藤哲三

 

忘れてならないのは、キズナのデビューから2戦は佐藤哲三が乗っていたということ。

残念ながら落馬で大怪我を負ってしまってそれ以降は乗ることができなかった。

 

 

たしかに、武豊に復活のダービーを勝たせた馬(しかもあのディープインパクトの子)って印象が強いよね。哲三だったらおじさん連中から人気出てたかもね。

 

キズナを可愛いと思う気持ちが自然と出た。もう、無理だと思った。」

 

この言葉、寂しかったなぁ。

 

さみしいね

 

しかし・・・競馬のひとつの時代というのは、本当に突然終わりが来るものですねぇ。

しみじみしちゃうよ。

 

あぁ、あともう一回、もう一回だけ、キズナが勝つところを見たかったよ。見たかった。

 

 

今までに書いた競馬の話